パスポート申請で戸籍不要に!
マイナンバー活用の新ルール(2025年3月〜)

2025年6月7日

海外から日本の手続きを行うのは、思った以上に煩雑です。
特に頻繁にぶつかるのが「戸籍謄本の提出」という壁。

たとえばパスポートの更新や各種証明書の発行には、本籍地の市区町村から戸籍を取り寄せ、在外公館に提出する必要があります。この一連の流れには、時間も費用もかかるため、「もっと簡単にならないのか?」と感じた方も多いはず。

そんな中、2025年3月24日から、外務省と法務省による戸籍情報のオンライン連携システムがスタート。在外邦人にとって、新たな便利な手段がひとつ使えるようになりました。


この記事でわかること

  • 2025年3月~新運用で紙の戸籍謄本が不要に!
  • それに必要な「符号」の2つの入手方法
  • 戸籍謄本 vs 符号 どっちが便利?
  • マイナンバーカードがあれば、戸籍不要でオンライン申請まで可能に!

✅ 新運用の概要(2025年3月24日以降)

2025年3月24日より、外務省と法務省間で戸籍情報のシステム連携が開始され、一部の行政手続では、紙の戸籍証明書の提出が不要となりました。

たとえば、在外公館でのパスポート申請や各種証明の申請時に、「戸籍電子証明書提供用識別符号(以下「符号」)」を提示すれば、戸籍情報を電子的に照会できるため、従来必要とされていた戸籍謄(抄)本の提出が不要になります。これが、今回導入された新たな仕組みです。

🔗(参考)
・外務省 在外公館で証明を申請する際に必要な戸籍謄(抄)本の取扱いについて
法務省 戸籍情報連携システムに関するお知らせ

🛂 その「符号」はどうやって入手する?

「戸籍電子証明書提供用識別符号(以下「符号」)」の取得方法は、マイナンバーカードの有無によって2通りあります。

1.マイナンバーカードを持っている場合(オンライン・無料)
  マイナポータル上で無料で発行できます。
  取得の流れ  
   ・マイナポータルにログイン
   ・「戸籍電子証明書提供用識別符号の取得手続き」を選択
   ・有効期限や、申請できる人の条件を確認
   ・マイナンバーカードを読み取って本人確認
   ・情報を確認し、署名用電子証明書の暗証番号で電子署名
   ・「取得手続き完了」が表示されれば完了です
🔗(参考)マイナポータル|戸籍電子証明書提供用識別符号の取得申請マニュアル

2.マイナンバーカードを持っていない場合(窓口・有料)
  お持ちでない方は、本籍地の市区町村役所の窓口で取得する必要があります。
  手数料は通常400円(自治体により異なる場合あり)です。
  申請方法は各市区町村で異なることがありますが、一般的には:
   ・申請書類の記入
   ・本人確認書類の提示
   ・手数料の支払い(定額小為替など)
   ・後日、符号通知書が交付または郵送されます
  海外から申請する場合は、郵送での手続きも可能ですが、郵送方法や手数料支払い方法を検討することを考慮すると、戸籍謄本を郵送で取得するのと手間・日数はほぼ同じです。
🔗 詳細は各自治体のホームページを確認!

「符号」の有効期間は発行日から3か月です。

💡戸籍謄本 vs 符号:実際どっちが便利?

「マイナンバーカードがないなら、市町村に郵送で“符号”を請求する」という情報を見て、「それなら戸籍謄本を送ってもらうのと一緒では?」と思う方も多いのではないでしょうか。

その通り、残念ながらその場合は、手間も費用も“ほぼ変わりません”。
以下、比較表をご覧ください:

比較項目戸籍謄本(抄本)戸籍電子証明書提供用識別符号(符号)
発行元本籍地の市区町村同左
入手方法郵送、代理人、本人申請郵送、マイナポータル(カード保有者)
手数料通常450円前後通常400円前後
有効期間特になし発行日から3か月間限定
利用可能な手続き範囲広い(相続、戸籍届出等)限定(主に証明書・旅券など)
利便性(郵送の場合)△ 書類が必要・日数がかかる△ 書類が必要・日数がかかる
利便性(マイナポータル)× 利用不可◎ オンライン発行可能

つまり
マイナンバーカードがある人 → 「符号」が圧倒的に便利!
 ⇒ マイナポータルで無料・紙不要
マイナンバーカードがない人 → 「符号」でも戸籍謄本でも取得手間はほぼ同じ
 ⇒ どちらでも対応可。必要とする手続きの範囲で判断するのが現実的です。

※補足
・戸籍謄本は汎用性が高いため、他の手続きにも転用したい場合には有利です。
・符号は便利ですが、有効期間が短く、目的が限られる点には注意が必要です。

🌐 海外在住でもマイナンバーカードは取得できる?

この仕組みの“本当の恩恵”を受けられるのは、マイナンバーカードを持っている人です。でも海外在住だとカードって取得できないんじゃ……?と思う方も多いはず。2024年5月27日から、海外在住の日本国籍者も、一定の条件を満たせばマイナンバーカードを取得し、継続利用できるようになっています。

取得対象者
2015年10月5日以降に国外転出届を提出し、マイナンバー(個人番号)が付番されている方。

国外転出後の取得方法
・市区町村役所に郵送または来庁して申請
・居住国の在外公館に郵送または来庁して申請

注意点:
・申請から交付まで概ね2か月程度、国や地域によってはそれ以上かかる場合もあり。
・代理人による受取はできません。必ず本人が受け取る必要があります。
・すべての国の在外公館で実施されているとは限りません。
🔗(参考)国外転出者向けマイナンバーカードの申請・受取方法(新規交付)

まだ条件付きではありますが、今後も「海外でのマイナンバー活用」については広がる可能性もあります。

💻 「符号」の提出方法

こうして取得した「戸籍電子証明書提供用識別符号(符号)」を、パスポート申請において提出する方法は、窓口申請とオンライン申請の2通りです。

窓口申請(在外公館):紙に「符号(16桁)」を書いて提出(手書きでも印刷でも可)。
オンライン申請(ORRネット):申請時に「符号」をご自身で入力。

つまり今回の新運用において、マイナポータルで「符号」を入手し、「ORRネット」で提出すれば、パスポート申請における手続きが大幅にオンライン化され、戸籍書類の取り寄せや郵送提出が不要になります。

※申請内容や在外公館の判断により、追加書類の提出を求められる場合があります。

📌 まとめ

今回の新しい仕組みは、在外邦人にとって:
マイナンバーカードを持っていれば、手続きが格段に便利に!なります。
マイナポータルで入手できる「戸籍電子証明書提供用識別符号(符号)」を用いて、「ORRネット」で提出すれば、紙の戸籍謄本の提出は不要ということです!

取得ハードルは依然として高く、人によっては取得自体が不可能なケースもあります。制度の恩恵をフルに受けられる人は、現時点では一部に限られるかもしれません。

それでも今回のように「戸籍情報をオンラインで行政間連携できるルートが整備された」というのは、制度としての非常に大きな第一歩です。

在外邦人と一口に言っても、その状況は家族構成・渡航歴・国ごとの制度など状況はさまざま。それぞれの条件に応じて、より安全で、より便利な選択肢が少しずつ増えていくことが期待されます。


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